ベトナム北中部22: モンカイその4 |
次はMajesticホテルの展望レストランから東方向に1.5~2km先に見えた新しいと思われる橋(ただし、交通の動きは見えなかった)に行ってみようとする。ひょっとしたら新しい貨物車両専用の国境ゲートなのかもしれないと想像する。ホテル横の道路から東に入ると、そこは地元の生鮮マーケットだった。道路の両脇の路上に魚、野菜、果物の路上ベンダーがずらっと並び、そこをバイクが無秩序に往来している(写真)。そこに我々の乗用車が入り込んだものだから、かなり迷惑だったかもしれない。真東に抜けられると思って突き進んだところが、300mほど先が行き止まりの袋小路だった。仕方なく諦め、ホテルに戻る。
新しい発見は、Majesticホテルの真裏が貨物車両の駐車場兼貨物の積み替え場だったこと。トラック同士がお尻を突き合わせて檀上のスペースで貨物を積み替える構造になっている。入り口にCua Khau Mong Cai Quang Ningと看板があり、クアンニン省モンカイ(芒街)市のCua Kahuというのは北侖河沿いのCua Khau Ka Longと同じ接頭語なので、荷物積み降ろし場という意味でよいのだろう。中国側から運ばれた中国からの輸入貨物をここでベトナム籍車両に積み替えるのだろう。筆者らが入り口から写真を撮っていると、門番が出てきて、撮った写真を削除しろという、お決まりの対応。のちほど筆者のホテルの部屋から真下を見下ろすと、トラック貨物積み替え場の様子が鳥瞰図で見れた(写真)。
午後の活動を終え、最後にMajesticホテルに隣接してCua Hang Mua Sam ASEAN東盟名品城という円筒形のガラス張りの商業ビルがあるので、そこに3人で入る。中国人でないことがわかるとなぜか止められ、英語で日本人だと説明すると、奥からマネージャークラスの若い男性が出てきて、大丈夫だから入れというジェスチャー。彼は中国人であることが判明。英語が通じないので、コミュニケーションは身振り手振り。中に入ると、まず「Welcome to ASEAN cross border trading center」という大きな表示が出迎え、中国の習近平国家主席とベトナムのフック首相が握手している写真の横断幕がある。しかし、実のところは、バッグ、化粧品、スーツケース、宝飾品など、欧米や日本のブランド品が各階ごとに展示販売されており、完全に免税扱いの買い物目当てで国境を越えてくる中国人観光客をターゲットとしている。ASEANとはあまり関係なく、日越友好をダシにした免税店ビジネスということだろう。