メコン川上流域ほか1: ビエンチャンからノンカイおよびウドンタニ経由でルーイへ |
2014年1月9~29日、ビエンチャンからスタートし、メコン川を上流方向へジグザグに移動し、最後はチェンライからバンコクへ戻った旅程について報告する。
1月9日、この日はビエンチャンから第1メコン国際橋をタイ側へ渡り、ノンカイからメコン川上流へ向かう計画。(ビエンチャンについては「中央回廊ほか」を参照)
9時前にビエンチャンで3泊したBest Western Vientiane Hotelをチェックアウト。このホテルは1泊80ドルで、「フランス人通り」(Rue FrancoisNgin)に面し、2007年に宿泊したときはTaipan Hotelという名前だった。立地が良く部屋も広くて気持ちよかったが、裏庭のプールを改装中で、その騒音にかなり悩まされ、今回は失敗だった。
事前にアレンジしたノンカイ行き国際バスが出るターラト・サオ(サオ市場)のバスターミナルまでの迎えの車を待つ。チケットを買ったレンタルバイク屋の女主人が軽四を運転して現れた。すでに後部座席に年輩のフランス人父子が乗っていて、荷物を置くスペースがなく、筆者は助手席に乗り、自分の荷物(コロ付き小型スーツケース)を膝の上に抱えた。15分ほどでバスターミナルに到着。運転してきた女性自身が、筆者を含む3人分のバスチケットを購入。ラオスのバスには珍しく、今回のノンカイ行き国際バスは指定席だった。筆者の席は前から5列目の左手窓側。幸い、荷物が足元に納まったので収納庫に入れずに済んだ。
国際バスは48人乗りで乗車率は9割ほど。乗客の大半がローカルのタイ人もしくはラオス人。第三国人は筆者のほかにフランス人旅行者が5人ほど。走行ルートは前回7月と異なり、メコン川沿いの遊歩道に並行する新しい道路(Donchang Roadという名前のよう)を東へ数キロ走る。高層のDonchang Palace Hotelを左手に過ぎる。その前後には新しい建売りのコンドミニアムが並ぶ。Landmark Mekong Hotelという新しいホテルを見る。中国資本が入っているものと想像する。ビエンチャンの川沿いのこのあたりは、来るたびに変化しており、都市化のペースが速い。
発車して15分後、タードウア通りRua Tha Deuaに合流。この通りが第1メコン国際橋へとつながる。途中、日本が無償援助した緑色のノンステップバス2台とすれ違った。Tokyo Coil Engineering、ToaPaint(大きなTOAという青色の看板をタイのあちこちで見る)といった日系の工場、そしてLong Thanh-Vientiane Specific Economic Zoneという経済特区(写真)を過ぎ、10時過ぎ、タナレーンの国境ゲートに到着。
全員下車して出国審査。筆者はスムーズに出国。15分後に再発車し、橋を渡る手前でラオスの右側通行からタイの左側通行へクロスする。タイから橋を渡ってきた鉄道車両(2両編成)が橋の手前で停車し、タイ政府の関係者と思われる人達が線路に降りて状況を点検しているようだった(写真)。前年多発した鉄道事故でタイの国鉄は全線にわたって線路を点検しているという話だったので、この国境でも点検しているのだろう。今や見慣れた第1メコン国際橋を渡り、ノンカイ側の国境ゲートに到着。全員下車して荷物を取り出し、入国審査。筆者はスムーズに入国。
再発車後、212号線をノンカイ市街へ向かう。10分後にノンカイのバスターミナルに到着。7月にノンカイからビエンチャンへ反対方向へ国際バスを利用したときはターミナルからターミナルまで75分の所要時間だったが、今回は85分かかった。
バーツ現金が残り少ないので、ノンカイのバスターミナルからメインストリートに出て両替ができる銀行を探した。2ブロックほど歩いてSiam Commercial Bankの看板にExchangeの表示があったので、そこに入った。10万円をバーツに両替。レートは1万円=3090バーツ。バンコクの両替専門店より多少レートが悪いと思うが、向こう3週間ほどはタイとラオスの地方を回るため、両替の機会が乏しいかもしれず、仕方ない。
11:20ごろバスターミナルに戻り、ノンカイから西へ数十キロで、ビエンチャン市街のメコン川をはさんだちょうど対岸にあるシーチェンマイへのバスについて聞いて回った。メコン川を北上する場合、シーチェンマイがノンカイに最も近い宿泊地候補だ。しかし、英語があまり通じず、要領を得ない。『歩き方』でシーチェンマイの部分を見ると、ノンカイからのバスは7時、9時、11時、13時、15時の1日5便だと書いてある。11時発をちょうど逃したようだ。仕方なく、バスターミナル周辺を歩きながらランチがとれる場所を探した。ターミナルにノンカイのマーケットが隣接していることを発見し、マーケットをぐるっと回り、軽食屋を1軒見つけたのでそこに入り、チキン入り麺を注文。冷蔵庫からChangの缶ビールを自分で取り出す。合計で80バーツとリーズナブル。
食堂のテレビでバンコクでの反政府デモの様子が中継されている。年末年始はとくに大きなデモは見なかったが、総選挙予定日の2月2日に向けて、こうしたデモがさらに激しくなるのだろう。
12:45ごろターミナルのバス乗り場に戻り、再びシーチェンマイ行きバスについて聞きまわるが、片言の英語が喋れるトクトク運転手によれば次は14時半だという。13時発があるとすればすでに待機しているはずだが、その影はない。改めて『歩き方』をよく読むと、シーチェンマイからメコン川沿いを回る道路は状況が悪いらしいので、計画を変更し、ウドンタニ経由で南から西へと回り込んでルーイへ行き、そこからメコン川沿いの北方向へ戻ることにする。(ノンンカイについても「中央回廊ほか」を参照)
ウドンタニ行きのミニバス(ロットウ)は人数が集まり次第頻繁に出ているようで、運賃50バーツを払い、停車中のミニバスに乗り込む。
13時ごろ、ほぼ満車で発車。郊外に出てさらに3人拾い、その3人組が一緒に座れるようにするため、運転手は筆者に後部座席から助手席へ移動するよう促した。助手席は2席あって、真ん中に僧侶が移動し、筆者がその隣の窓側席に座った。これで完全に満車となった(写真)。助手席に移動したおかげで前方が良く見え、国道2号線の道路状況が非常に良好であることが確認できた(写真)。ただし、南へ向かうので日光を浴びてやや暑かった。
13:50ごろ、ミニバスは2号線から右斜めにそれてルーイ方面の216号線に入る。5分後、ウドンタニのバスターミナルに到着。ルーイ行きの2階建てバスがちょうど停車している(写真)ので、その手前のチケット売りデスクで何時に出発かと英語で聞くと、チケットに「14:20」と書いてくれた。タイミングが良いと思い、そのチケットを100バーツで買った。指定席ではない。14時過ぎに1番乗りでバスに乗り込んだ。
14:15ごろ、定刻より少し早く発車。立派な50人乗りくらいのいすゞ製バスに乗客はわずか8人ほど(写真)。乗車率を上げようとして、バスはウドンタニ郊外をゆっくり走る。(中略)(ウドンタニについても「中央回廊ほか」を参照)
ウドンタニからルーイまでは210号線で西方向、途中で201号線を北へ、合計約145km。バスの振動は多少あるもののかなりのスピードを保っているので路面は悪くない印象。(中略)
途中、車線が片側2本になったり1本になったりしながら進む。後半は沿線にトウモロコシ畑やすすき野が増え始め、標高が少しずつ上がっている印象。何度も途中の町で一時停車し、客が乗り降りする。
17:10、201号線に入り北方向へ走る。ここからは片側2車線の整備された道路となる(写真)。TESCO Lotus、Big C、Makroなど定番の量販店を過ぎ、約30分後、ルーイ市街のバスターミナルに到着(写真)。最後まで乗っていた乗客は数人だけ。逆方向の乗客需要はあるのかもしれないが、今日のウドンタニからのバスは赤字運行ではないだろうか。
客待ちしていたトクトクに乗り、目星をつけていたLoei Orchid Hotelまで送ってもらう。バスターミナルの位置が不確かで市街までの距離がよくわからないので言い値の60バーツでOK する。結局1km余りの印象だったので、かなりぼられた。
ホテルは外観からして新しい(写真、翌日撮影)。フロントの女性は英語ができたのでスムーズにチェックイン。ダブルベッドの部屋で1泊朝食なしで450バーツ(約1300円)の前払い。3階の304号室に入る。ベッドはキングサイズで、バスルームも清潔そうで問題なし。
18時半ごろ、夕食に出かける。すでに外は暗い。ホテルから出て西へ歩き、『歩き方』の地図に「パブが多い」と記してある短い通りに出る。確かに5~6軒パブやバーがあるが、通りの照明があまりないため、少しうらぶれた雰囲気。看板がタイ語で読めないが、英語でBar & Restaurantと書いてあるオープンエアの店に入る(写真、翌日撮影)。筆者が最初の客だったが、すぐ後に欧米カップルが1組入ってきた。英語のメニューを要求すると出てきた。チキンカッパオ(59バーツ)、空芯菜炒め(79バーツ)、シンハービール大瓶(95バーツ)を注文。料理はおいしかった。飲み食い物価はバンコクの3分の2程度か。
食後、パブ通りを少し南へ歩くとNok Kaew通りに出る。ここは意外に賑やかで、レストラン数軒とセブンイレブンもある。Nok Kaew 通りを200mほど東へ歩くとロータリーに出る。ここを北へ左折すると目抜き通りらしいSathon Chaing Khan通りに出る。この通りには地元スーパーの他に別のセブンイレブンがある。ちょっとしたフードコートのような場所もあり、地元客で賑わっている(写真)。この通りを200mほど北へ歩き、Ruamkai通りとの交差点で西へ左折し、150mほど歩いたところで、先ほどの「パブ通り」を南へ左折する。こうしてホテルを囲む200m四方ほどを散策して20時ごろホテルに戻った。