中央回廊ほか7: ビエンチャンからバンビエンへ |
7月15日、9時すぎ、ビエンチャン市街から乗り合いミニバスでバンビエンへ向けて発車(写真)。2日前に近所の旅行者で購入したチケットは5万キープ。筆者の他に、若いドイツ人カップル、スペイン人女子2人組の5人でスタート。その後、市内のゲストハウスが集まる数ブロックを4周くらいしただろうか、白人中年男性1人、若い豪州男性2人組、東南アジア男性1人、欧米女子2人組、年配のドイツ人カップルと、順番にピックアップしていった(それぞれの国籍は人相風体や会話とアクセントから推定)。
10時過ぎ、乗客13人と運転手の計14人で完全に満車になり、ようやく市外へ向かって走り始める。1時間近くを客集めに費やした。このパターンで待たされることへの免疫はもうできている。
10分ほどビエンチャン市内西側の抜け道を北上し、国道13号線に出る。片側1車線で路肩は狭くはないが、ビエンチャンの郊外に出るまでは交通量が多く、追い越しが困難(写。近郊の沿線にはトラックの各国・各メーカーのディーラーがずらりと並ぶ。いすゞのトラックディーラーもあるが、中国勢や韓国勢のディーラーのほうが目立つ。韓国勢では大宇と現代、中国勢ではDong Fen(DFACというロゴ)、JAC Motors、Yue Jinのディーラーを左手に見た。乗用車でも、中国のBYD Autoのディーラーを見た。おまけに「青島中青佳美汽車修理庫」という看板の自動車修理会社まである。中・韓資本のプレゼンスが日本を上回っている印象(写真)。
10:50ごろから沿線が田園風景中心となる。
11:25、ビエンチャンから64km、バンビエンまで92km、ルアンパバーンまで322kmという地点のJennyという商店で10分間トイレ休憩(写真)。
12時前から山道に入る(写真)。ここからカーブだらけの道だが、バンは50kmhほどで飛ばすので、急カーブではタイヤのきしむ音が聞こえる。(中略)
13時過ぎ、バンビエン中心部のSoutchaiTravelのミニバス営業所に到着(写真)。ビエンチャンから156kmの行程に、休憩時間を除いて平均時速56~7kmhほどと、思ったより速かった。そこからネット予約していたThe ElephantCrossingというホテルは、すぐ北の角をまっすぐ西へ歩けば5分以内に着く距離だった(写真)。しかし、筆者は下車した場所を地図で読み間違え、荷物を引きずりながら1kmほど北へ歩いてしまった。ゲストハウスやレストランが途絶え、13号線と再び合流する地点まできてようやく勘違いに気づき、同じ距離を引き返した。2kmほど無駄に歩いたおかげで、バンビエンが観光だけで成り立つ小さな町だということがよくわかった。
14時前、ホテルにチェックイン。2階の部屋の窓がナムソン(Nam Xong)川(メコン川より数百km東にあるので、メコン川水系ではなさそう)に面していて(、その背後のカルスト地形の連山が見え、なかなか風光明媚。このあたりが観光地になったのは、ナムソン川でのカヤッキングやカルスト地形の山々とそれに伴う多数の洞窟といった観光資源があるからだ。
夕方までに歩いて回れるところだけを見る。ランチは抜かして15時すぎに散策に出る。ホテルを出てすぐの通りを右折して南へ、700mほど歩く。沿線にはレンタルサイクル屋や土産物屋が並ぶ。突き当りから右へ折れると、Vang ViengResortへの導入路(未舗装)になっている。その導入路をさらに700mほど奥へ歩くと、その突き当りが同リゾートのゲートになっている(漢字表記は『張同盛皇陽渡暇村』)。入場料2000キープ。ここは宿泊施設もあるが、目玉は敷地の奥にあるTham Chang Caveという鍾乳洞の洞窟。
洞窟に至る前に、ナムソン川に架かる60mほどの吊り橋を渡る(写真)。観光客6~7人が吊り橋の途中で記念撮影をしていて、彼らが同時に動くと橋がかなり揺れる。橋からの山を背景にした眺めがいい。橋を渡って洞窟の入り口までさらに200mほど歩く。観光客相手の出店が少し出ている。入り口から洞窟まで147段の階段があり、10階建てのビルに登る感じ(写真)。洞窟内はミャンマーのピンダヤで入った洞窟寺院と同程度の規模だが、昆明郊外の九郷風景区の洞窟よりははるかに小さい。それでも、洞窟の途中に展望台があり、そこから見下ろすナムソン川とその向こうのバンビエンンの町の景色は素晴らしい(写真)。洞窟から降りたところに、ナムソン川に注ぐ小川があり、そこの清流がちょっとした遊泳場所になっていて、地元の若者が水遊びしている(写真)。しかし、流れが結構速いので、観光客がここで遊ぶのは危険そうだ。
帰り道は、ミニバスが入ってきた通りを北へ歩く。ミニバス営業所に立ち寄り、翌日のルアンパバーン行き9時発のミニバスのチケットを11万キープ(約15ドル)で購入する。通常のバスより少し高いが、ホテルからこの営業所までは歩いてすぐなので、市街から2kmほど離れているバスターミナルへ行くよりは簡単。(中略)
市街中心部のラオ・テレコムがある角を東へ歩くと、米軍が使用していた飛行場跡に突き当たる。アスファルト舗装ではないが、細かい砂利を敷き詰めた広場になっていて、車両が自由に往来できるようだ(写真)。
バンビエンの町には韓国人客をターゲットにしたゲストハウスやレストランが目立つ。さきほどの洞窟まで自転車を漕ぐ若い韓国人女性2人組や、街をショートパンツで歩く韓国人女子組を見た。ビエンチャン在住の韓国人ビジネスマンも多いのだろうが、一般観光客も韓国人のプレゼンスが日本人より大きい。
17時半にはホテルに戻る。2時間少し散策したが、日差しがきつく、また汗だくになった。18時半ごろ、バルコニーから見える川沿いのレストランで夕食。屋根のないテラスの4テーブルほどはすでに欧米人客で一杯。筆者は屋根のあるセクションに座る。揚げ春巻き(2万キープ)、チキンのココナツ入りカレー(3万キープ)、もち米ごはん「カオ・ニャーオ」(2000キープ)とビアラオ・ダーク(1万キープ)を注文。合計6.2万キープ(約7.5ドル)。19時半を過ぎてレストランが欧米人客で混んできた。宿泊客だけでなく、外からもどんどん客が入ってくる。川沿いのテーブルもバーカウンターもすべて埋まり、最後は屋内のテーブルもあと2卓しか空いていない。まだロー・シーズンのはずだが、ここは人気があるようだ。