東部回廊ほか見て歩記21: 南寧からへ欽州へ |
翌4月27日朝、南寧(ナンニン)の琅東バスターミナルから南東方向154kmにある欽州(ギンゾウ)まで高速バスに乗る(写真)。運賃52元。桂海(桂州と北海を結ぶ)高速は片側3車線だが、あちこちで補修工事をしているので、舗装が古くなっているのであろう。
まわりの景色をみると、小高い丘が多い地形だが、中国らしく、丘の斜面をあちこち削ってまっすぐなルートにしている。1時間45分ほどで欽州バスターミナルに到着。平均時速80kmhほどで速かった。中国語版LonelyPlanetで目星をつけていた、ターミナルから歩いて400mほどの「城市便捷酒店(City Comfort Inn)」へ入る。フロントの女性は英語が苦手だったようで、英語ができる同僚を呼んでくれ、スムーズに手続き。1泊210元(約3200円)。部屋は機能的かつ清潔で満足。名前の通り「便利で敏捷」という印象だ。他の都市でも同じ名前のホテルを見たので、中国で広く展開するビジネスホテルのチェーンのようだ。(中略)
ホテルから歩ける距離にある東風広場というマーケットの食堂で麺のランチを食べた。店の11~12歳くらいの男の子が筆者にやたら興味を示し、前に座ってしゃべりたそうにしているので、「What’s your name? Do you speak English?」と聞いたら、「I can’t speak English」となかなか流暢に返してきた。ところが本当にそれだけしかしゃべれないようで、あとは指さし中国語を使って筆談。Lonely Planetの地図を指して東風市場はトンプーイェンツー?と発音するのだと教えてくれた。他の店員もつられて「チャーシュー米粉はおいしいか」とか、「中国、広西、そして欽州へようこそ」という趣旨の中国語を書いてくれた(と思う)ので、「美味!」と書いて返した。
東風市場から、メインストリートの欽州湾大道を南へ歩くと、ファッションビル、ショッピングセンター、新しいホテル、ファストフード店などが並び、昆明や南寧と同格とまではいかないが、表通りは近代的な都会の雰囲気。UCC上島珈琲のほとんどコピーで「上島咖啡UBC Coffee」(写真)というのを見て笑ってしまった。
メインストリートをはずれると、古い3階建てっくらいのビルが多く、その1階は、電気製品修理屋、文具や、昔ながらの家族経営の商店が多く、そちらのほうは趣きがある。東へ歩くと欽江という川に突き当る。川沿いに生活感あふれる古い住宅が並んでいて、とても興味深い。やたらと占い部屋・理髪屋が多いのが特徴。崩れかかったように見えるレンガ造りの古い家でも占いや理髪を生業にしているようだ(写真)。昔からこのあたりはそういう職業街だったのであろう。
夕食はホテルから歩ける距離のショッピングモール(写真)のほぼ向かいにある数軒のレストランのうち、「好一点豚粉」という名前の、ファストフードでなないが、回転が早そうなレストランに入った。写真つきの大きいメニューで「荷香筏仔飯」という名前の、豚肉ブツ切り・しいたけ・空芯菜・ごはんが竹製容器にまとめて入っている定食と、「[さんずいに离]泉」という中国ビール1本(595ml)を注文。計21元(約300円)と安かった。ただし、やはり薄くて水のよう。晩酌用に東風市場の出口あたりで見つけた咽酒屋(どの街角にもあるタバコ屋)で「長城」ブランドの赤ワインを64元で購入。いままで飲んだ中国産ワインのなかではまだ飲めるほうだった。
LonelyPlanetによると欽州の人口は102万人というが、おそらくこれは欽州「市」(中国の市は日本の小さい県に相当する広さ)全体の人口で、中心地は20~30万人という印象。また、欽州市は直接海に面しているわけではなく、物流を扱う港湾都市は北海か防城港である。