東部回廊ほか見て歩記20: 憑祥から南寧へ |
4月25日、憑祥から南寧まで240km、筆者が乗ったバスは50以上ある座席で、乗客は8人しかいなかった。それでもどこにも立ち寄ることなく、南寧のバスターミナルへまっすぐ直行した。南寧郊外の環状道路で少し遠回りしたが、だいたい3時間で南寧市街の東側にある琅東バスターミナルに到着。平均時速80kmh。運賃は78元(約1300円)。雲南省でも同様の距離と運賃なので、中国の高速バスは漢字が読める日本人旅行者にとっては便利だ。
南寧ではネット予約した市街繁華街にある老舗の南寧飯店(1泊60ドルほど)に泊まった(写真)。5つ星とあってスタッフは英語が達者で助かる。南寧飯店の敷地内にあるFortuneTower (錦綉楼)2階の高級風なフードコートで夕食をとる。中央におびただしい数の写真入りの中華メニューが貼られていて、選ぶのが大変。フロアには注文を受ける仕事が専門の女性スタッフが数人いて、彼女らに写真を指させば注文リストに印をつけて、請求書を手配してくれる。メニューの漢字が読み切れないので、写真の印象だけで、鶏のから揚げ串刺し、青物炒め、ごはん、青島ビールを注文。おかずは2品ともスパイスが利いてうまかった。合計47元(約700円)。客層は比較的若く、カップルが多いので、繁華街のデートコースの一部なのだろう。
夜、ホテル近辺の繁華街をチェックしに外出。昆明の繁華街に勝るとも劣らない活気だ。小さな裏通りには屋台街もある。麦当労(マクドナルド)、肯徳利(ケンタッキーフライドチキン)、沃尔玛(ウォルマート)といった外資定番に加え、ファッション専門店が入るデパートが数軒ある(写真)。また、新華街とよばれる通りには地下街があり、テーマ別の衣料品店街になっている。
翌4月26日は広西民族大学のK教授と会い、彼のメコン研究のベースとなっている広西大学の中国-東盟研究院を訪問。鴨料理屋で同僚の人達とランチをごちそうになったうえ、午後に即興で筆者の学生向けセミナーのアレンジしてくれた。セミナー後、16時ころに車でホテルへ送ってくれるが、その前に、彼の本務校の広西民族大学のキャンパスも案内してくれた。学生数は1.5万人ほどで広西大学より狭いが、並木道が多くきれいなキャンパスだ。正門の近くに孔子像があり、記念写真をとってくれた。ホテルに着いて、記念品やら出版物をいただいき、恐縮しつつ、お礼を言って別れた。
ホテルでの夕食後、海鮮レストランの屋台が並ぶという中山路を見に行く。確かに海鮮屋台がずらっと並ぶ歩行者天国だった。いわゆる夜市である。そこらでBBQの煙と臭いが立ち込め、カニ、エビ、カキ、秋刀魚など、海の幸が所狭しと各店の店頭に並んで、うまそうだ(写真)。南寧は沿海の港湾都市から車で2時間くらいなので、新鮮な材料がたくさん入ってきている。夕食はここで食べればよかったか。南寧市には大河が1本流れ、他にも湖や池が多い。K先生によれば、南寧はこうした湖や緑が多く「緑城(グリーン・シティ)」という愛称があるそうだ。