東部回廊ほか見て歩記16: ハノイからランソンへ |
ハノイにしばらく滞在したのち、4月22日、ハノイから北東に約150kmのランソンへ向かった。ルオンイェン・バスターミナルを11時発のミニバスで国道1号線を行く。運賃は11万ドン(5.5ドル)。筆者が1人目の乗客だったので、しばらく発車せず、ようやく発車してからも乗車率を上げるためにハノイ市内をゆっくり進んだ。このルートも部分的に鉄道が真横に並行しており、ランソン行きの貨物列車と併走することもあった(写真)。5号線のハイフォン・ルートに比べれば、1号線の北上ルートに大きな工業団地は見かけない。ハノイから90kmほどの地点から山間を縫うようなルートになるが、ラオカイ・ルートと比べれば道路状況ははるかに良好。3時間強でランソン市街に到着。実質所要時間は2時間40分ほど。
ランソン市中心部は2km平方程度のようなので、歩いて宿泊場所を探す。最初に見た中国系の金山賓館は部屋の設備が古く、不潔な感じなのでやめる。次に見たHoabin Hotelは玄関に鍵がかかっていて営業している様子がない。さらに歩くうち、空腹になったので、ハンバーガー屋(この辺境町で珍しい)を見つけて腹ごしらえ(写真)。
次にランソン鉄道駅方向へ歩き、駅から数百メートル手前にHoang Vu Hotelを見つける。部屋は古いが清潔そうなで、1泊30万ドン(15ドル)で投宿することにする。2つ星レベルか。ところが、そのすぐ後、ランソン駅付近を散策したら、突然12階建の立派なMouang Thanh Hotelを見つけた。
ランソンには2つ星以下のホテルしかないと思っていたが、持っていた『歩き方』ベトナム編2011~12年版が少し古すぎた。ロビーに入って聞くと、2011年にオープンしたそうだ。玄関には4つ星の表示がある。施設がすべて新しく、WiFiもある。1泊65万ドン(30ドル強)というので、こちらに切り替えることにする。Hoang Vuホテルへ荷物を取りに帰り、預けたパスポートを回収しようとすると、フロントの女性が10万ドル札を取り出し、「部屋に一度入ったのだから10万ドル払え」というジェスチャー。5ドル相当で口論するのも疲れるのであっさり降参。
午後遅めに市内を少し散策した。お堀(写真)の向こう側に立派な公園があり、涼を求める市民であふれている(写真)。前回2007年にハノイから日帰りで訪れた時はランソン市街を見なかったが、こんなに垢抜けたところだとは思わなかった。
夕方、近くにこれといったレストランを見かけなかったので、夕食はホテル1階のレストランで食べた。中国式の丸いテーブルが7割がた占める。宿泊客の中心は中国人を想定しているようだ。春巻きと海鮮焼き飯を注文(12万ドン)。12階のラウンジで購入した冷えたビアハノイ(2万ドン)を持ち込む。客は筆者だけで、客室占有率はとても低そうだった。ランソンの国境地帯には少数民族などの観光資源もカジノもないので、現状では4つ星ホテルの需要は少なそうだが、今後のこのルートでの物流増加に備えた先行投資なのだろう。