東部回廊ほか見て歩記13: ハイフォンからドーソンヘ日帰り |
翌4月16日、ハイフォンから南東に25kmほど離れているドーソンというビーチ保養地へ日帰りした。途中海軍博物館に寄り、そこでタクシーを乗り換えた。ところがそこから乗った小型タクシーがすぐに交通警察のネズミ捕りにつかまった。そんなにスピードを出していないのになぜかよくわからない。たまたま警察の詰所近くで運悪く少しスピードオーバーした(おそらく制限速度40kmhのところを55kmhくらいで走った)ためであろう。プルオーバーさせられ、10分ほど足止めを喰う。運転手は憮然とした態度だったが、公然と反抗はできない様子。彼が違反書類に書き込みさせられている間、山吹色の制服を着た若い警官が、助手席に座っていた筆者の隣に乗り込み、一瞬ドキッとしたが、違反処理後スムーズに発車できる位置へ車を移動させただけだった。再発車したあと、真面目そうな運転手氏は携帯で誰かと話し、ひとしきり愚痴をこぼしていた。
ドーソンへの道(地図では14号線と表示)は特別に整備されたようで、片道2車線で中央分離帯には芝生と植木が施されていて、いかにも保養地に向かう感じの道路(写真)。沿線にジャックフルーツ売りを見かけた。渋滞もなく、60kmhでコンスタントに走行し、ドーソンの市街へ到達した。そこからさらに4~5kmが半島状態になっている海岸リゾートのようだ。中心地に到着してタクシーのメーターを見ると、22km走行して24.4万ドン(約12米ドル)だった。
大通りに出て、半島状の岬を1.5~2kmほど歩いた。ビーチの砂の色は茶色っぽく、サンゴ礁の白い砂浜というわけにはいかない。曇り空でもあるし、海水に入る気にはならない。磯の岩場でおばさんたちが貝類を採集し、地元のホテル街で路上販売していた。ビーチ沿いの道路にはミニホテルなどがみたところ30軒ほど並んでいる。しかし、曇天に加えて平日のせいか、閑散としていた。
11時すぎから3時間ほど見学した間に筆者が直接目撃した訪問客は、ベトナム人家族数組、軍人グループ1組、軍人学校生と思われる若者グループ1組といったところ(写真)。軍人学校の若者グループは、筆者が食べたレストランの奥の貸し切り部屋で陽気に盛り上がっていた。アルコールが入っているはずはないのだが、一気飲みの掛け声のようなものも聞こえた。
かなり退屈なビーチであったが、ハイフォンへ戻ろうと思ってビーチ沿いを最後に歩いたとき、「I love H2O」というお揃いのデザインのTシャツを着た若者集団が、ビーチで何かダンスの練習をしていた(写真)。水資源を大切にしましょうというNGOか何かであろうが、最後に若々しい動きが見られた。(中略)
ホテルに戻る手前のサッカー場では、火曜日の常識なら仕事中の午後の時間帯なのに、またオッサンチーム同士で試合をしている。さらに、ホテル近くの裏側から声が聞こえてくるので入ってみると、空地にバレーボールコートがあり、上半身裸のオッサンたちが、1対3の意味不明のゲームをしている。3人は素手の普通のボレーだが、対する1人はプラスチック製のテーブルを振り回してボールを打ち返している。周りには同じく上半身裸のオッサン達が盛り上がってみているので、何か賭けをしたここのオリジナルなゲームのようだ。
夜、ハイフォン市街を徘徊してみた。小雨模様で、ちょうど道路のほこりが落ち着いて、気温も20度台前半のようで気持ちよかった。ハイフォンの若者たちは夜更かししている。メインストリートの路上の屋台は飲み食い客で賑やか。ホテル近くのビリヤードカフェには若者カップルがバイクで乗りつけている。あちこちに中小のカラオケ店(文字通りKaraokeというサイン)の明るい看板があり、夜遅くまで開いているようだ。