ベトナム南部20: サイゴンの日本宿と日本町 |
ホーチミン市(サイゴン)の最後の2泊については、Fさんから「屋上に露天風呂がある日本人向けの宿がある」と聞き、ネット検索したところ、「東屋Azumaya」であることがわかった。数年前、ハノイでこの宿を見かけたが、現在はハノイに4軒、ホーチミンに4軒、ダナンに1軒と、ベトナムに広く展開している。直接オンライン予約ができる。Fさんの勧めに従い、ホーチミンの4軒のうち、新しいらしいThai Van Lung(通り)の東屋タイバンルン2のExecutive Room (1泊朝食付62ドル)を予約した。フロントの女性スタッフは制服なのだろうか着物を着ていて日本語が達者なよう。部屋は2階の105号室で、窓がないのは難点だが、確かに設備が全て真新しく、ダブルベッドで、金庫もあり、露天風呂は週末は24時間入れる。立地の便から考えるとリーズナブルだ。
タイバンルン通りとレタイントン通りに挟まれた数ブロックが、日本人をはじめとする外国人駐在員が集積するエリアである。前回(2016年5月)はハイバンルン通りより一本南西のチーサックThi Sach通りに面するAsian Ruby 1に泊まった。今回の「東屋」は発展著しい「日本町」がまさに至近距離にあり、日本人ビジネス出張族を追体験する趣向となる。
20時ごろ、夕食に出かける。界隈を30分ぐらい数ブロック歩いて土地勘を取り戻したうえで、袋小路が迷路のような「日本町」へ入る。正式な名称はどうか分からないが、昨年来たときはそう書いた赤提灯がこの一角に吊るされていたと記憶している。
東屋タイバンルン2のはす向かいにある東屋タイバンルン1のすぐ東隣に “Welcome to 8A Thai VanLung Residential (Areaが抜けている)という横断看板があり、そこから北へ入り、最初の角の左手にある居酒屋「鶏笑」Torishoに入る(写真)。日本人だけでなく、地元客、欧米系(界隈の住人だろう)と客は多国籍だ。日本の居酒屋スタイルはユニバーサルにアピールするのだろう。カウンターが満席になるほど混んでいる。目の前で女性スタッフが器用に焼き物を焼いてくれる。飲み食い産業の技術移転だ。一通り飲み食いして38万ドンと、東京よりは安い。価格差のほとんどは人件費の差だろう。
22時ごろホテルへ戻ろうとすると、東屋タイバンルン2の2軒東隣のDublin Gateというアイリッシュバーの前に店内から溢れた白人青年男女が群れている(写真)。緑色のシャツを着た人が多いので、何らかのお国のフェスティバルなのだろう思ったが、翌日そこに入って、3月17日がセント・パトリックス・デイで、店が特別なドリンクメニューを出したということがわかった。
翌3月18日、7時半ごろ起床。1週間の駆け足行程で思ったより体が疲れた。昨晩のように渋滞に巻き込まれると疲れる。
ホテルの地階に併設のレストランで朝食。ビュッフェではなく、本格的な定食を出してくれる。洋食のオプションもある。朝食は4つ星以上だ。
ロビーやレストランには日本語のフリーペーパーが数紙置いてある。部屋のTVは日本の民放やWOWOWも見られる。極め付けは最上階7階の露天風呂だ(写真)。これだけ日本のものが揃っていれば、日本が恋しくなることはないだろう。駐在の辞令を受けてアパート探しをする間、ここに一時滞在する日本人ビジネスマンが多いのではないだろうか。在留外国人の数では韓国人が日本人の10倍もいるようだが、この界隈だけは「日本密度」がとても高い。