3都市⑨ バンコクの金融街 |
今回はバンコク滞在中、市街中心部のラジャダムリ地区Nantawan Building(大林組が建設)に入居するジェトロバンコクセンター-アジア経済研究所および国際協力銀行(JBIC)バンコク駐在員事務所を訪問した。このビルの高層階からの眺めはよく、ロイヤルクラブ競馬場が眼下に見える(写真)。(面談内容は省略)
今回はバンコクの金融中心街を初めて訪問した。昔からの繁華街であるシーロム通りに並行するサトン通りに金融機関が集中しており、新宿副都心並みの高層ビル街だ。(写真)。経済が長らく低迷しているタイだが、ここでは建設の槌音が途絶えない。その中心部にあるBTS(スカイトレイン)チョンノシー駅近くに高層ビルをもつプライスウォータハウス・クーパーズ(PwC、大手多国籍会計コンサルタント会社、通商「ビッグ4」の1つ)を訪ねる機会があった。立派な自社ビルに圧倒された(写真)。
勤めるスタッフは総勢約2000人。うち会計・監査要員が約1500人、コンサルティング業務が約500人。ほとんどが現地採用タイ人スタッフ。国際採用スタッフは150人ほどで、うち日本人は13人という。
同社には「ジャパンデスク」があるが「チャイナデスク」というのはない。タイにおけるまだ大きい日系企業のプレゼンスを反映している。タイで多い日系企業相手の仕事はBusiness Continuity Plan(Management)の提案で、2011年の洪水時の教訓やテロや政治紛争のリスクの高まりなどから、サプライチェーンを途絶えさせないための危機管理計画の需要が大きくなったという。とくに日系の自動車関連メーカーなどは取引相手先からサプライチェーン途絶回避のプランを要求されるという外圧もあるという。ジャパンデスクではこの分野で民間20~30社をコーディネートしている。リスク測定、復旧プラン、社内へのリスク対応浸透プロセスなど、コンサルティング業界で確立された(ISOのような)フレームワークがあるという。(以下略)