ホーチミン~プノンペン1: 成田から仁川経由でホーチミンへ |
5月1日から7泊9日でホーチミンin、プノンペンoutで南部経済回廊の東側部分とカンボジア南東部の国境地域を回る。
旅を計画したのは2週間ほど前だ。大型連休の並びがよいことに気づき、やや衝動的に思い立った。今回は韓国のアシアナ航空を初めて利用し、OZ103便・成田/仁川 13:50/16:20とOZ735便 仁川/ホーチミン19:10/22:25を乗り継ぐ(写真)。
2時間50分の乗り継ぎ時間は悪くない。この時期はさすがに航空券が高く、行きと帰りの日程を後ろにずらすことで、ようやく8万円台のチケットを確保した。それでも今までのメコン地域への旅の中では最高値だ。しかも直行便でない。ホーチミン直行便の往復を希望していたが、乗継便にせざるを得なかった。というのも、ホーチミンからプノンペンを往復しようとすると、ベトナムを出国して30日以内にベトナムへ再入国する場合、ビザが必要だということを知ったからだ。バンコクからであれば周辺国を自由に往復できるのだが、ベトナムは奇妙な再入国制限を設け高いビザ代を要求している。観光用シングルビザで8500円というから馬鹿らしい。周辺国との自由な往来はまかりならん、手数料を払え、という政策のようだ。周辺東南アジア諸国や中国へ往来したい旅行者にはハノイやホーチミンは拠点として使えないということだ。出入国審査の秩序を優先する政策なのかもしれないが、これではバンコクの国際観光ハブとしての地位に近づけないだろう。
さて、フライトは10分遅れて離陸。機体はボーイングB747-400の400人乗りか。満席のよう。予約時に指定していた中央4列の通路側の36G席に座る。座席の広さはやや狭いが、ビデオオンデマンドで映画が見られるので気が紛れる。機内食は選択肢はなかったが、酢豚定食のようなものが出てまあまあだった。
16:15、仁川国際空港に着陸。10分ほどで駐機場に到着。3階に着き、乗り継ぎの方向に左折する。数カ国語の表示が出ていて迷うことはない。午後遅い時間帯のせいか、あまり混んでいない。仁川空港に降り立つのは今回が初めてだ。ソウルに行くときは金浦空港を使っていたからだ。規模は北京空港ほどではないが、成田や羽田より大きい印象(写真)。
乗り継ぎの荷物検査場が多少混んでいたが(写真)、問題なく通過し、4階の出発階へ進む。天井が高く、空間を贅沢に使ったデザインだ。乗り継ぎ便のインフォメーションで確認し、49番ゲートに進む。国際専用ゲートが50と、国内線用ゲートが30ほどあるようだ。
時間があるので、国際専用ゲートの並びを1kmほど歩いた。免税店のほかに、ルイヴィトンの専門店も入っていて、リノベーション中の箇所にはさらにブランド店が入るようだ。飲食店も多数のカフェに加え、モスバーガーも入っていて、盛況だ。なかなか飽きないターミナルだ。この「ショッピングモール」を歩きながら聞こえる言語は日本語もそこそこだが、圧倒的に中国語が多い。
さて、一杯ひっかける場所を探してウロウロしたら、1kmの長いモールに垂直な並びのゲート群が2本あり、その入り口にFood Empireというフードコートがある。韓国料理屋、日本食屋、バーガーキングなどが入っている。入り口のレジで前払いする方式で、レジの横に酒類も置いてある。なかなか合理的だ。眞露1本(340ml瓶で4000ウォン、400円弱)を冷蔵ケースから取り出し、BurgerHunterという店が出している、spicy French fries(5000ウォン、500円弱)を注文。以前の旅で残っていたウオンを持参するのを失念していたので、1000円札を出すと、多言語を使いこなせると思われる女子スタッフは「お釣りはウオンでいいですか」と日本語を話し、1600ウオン返ってきた。空港価格で、ソウル市内より高いのだと思うが、成田と比べれば、3〜4割安いのではないか。食べ物の注文はブザーを渡される。フードコートの奥に空いたテーブルをみつけ、一息。5分くらいでブザーが鳴った。フレンチフライは異常に辛く、半分以上残してしまったが、眞露に合った(と思う)。満足のいくトランジットだった。これなら仁川経由でアジア各地に出かけるのも悪くなさそうだ。
19:30ごろ、乗り継ぎ便は定刻より20分遅れで離陸。飛行時間は4時間55分というアナウンスがあったので、ホーチミン到着は定刻近いだろう。機体はエアバス330-300の300人乗りか。搭乗率はせいぜい4割。乗客は楽だが、いつもこの調子ならアシアナ航空にとっては赤字路線だろう。成田でチェックインするときに、カウンターで、横に乗客がいないと思われる、予約時指定より少し後ろに変更しますか、とオファーされたのでそうしたところ、さっきと同じ36G席だ。隣が空席だとトイレ立席の際の煩わしさがなく、周りの人口密度も低く、気持ちいい。日本の海外旅行のハイシーズンは仁川経由が悪くなさそうだ。機内食はシーフード定食で、辛口でうまかった。
22:35(日本時間翌日0:35)、ホーチミンのタンソンニュット国際空港に着陸。イミグレは空いていて、スムーズに入国。ベトナム出国の航空券はあるかと聞かれ、ホーチミンから陸路でプノンペンへ行き、そのまま日本へ帰国すると説明したら、問題なしだった。
入国審査を出たところの左右にベトナム輸出入銀行の両替ブースがある。今回はホーチミンに2泊するだけなのでここで両替しておく。レートは1円=203.6ドン。ここ数年でドルに対して円もドンも安くなったので円とドンの交換率は以前と変わらない。
23:10、ターミナルを出てすぐ左手にあるTaxi Standでメータータクシーを拾う。ネット予約していたAsian Ruby Hotelの住所を印刷していた紙を見せて出発。日曜日の夜遅い時間のおかげで渋滞は全くなし。ほんの15分で市街中心部に着いた。運賃は13.5万ドン。
宿泊ホテルは日本食屋、韓国料理屋、洋式パブなどが集積している一角にある(写真)。以前そのあたりを散策した時、新しそうな外観を見て、目星をつけていた。ネット予約で朝食なしで1泊5,421円。このあたりは『歩き方』で「レタイントン(Le Thanh Ton)通り&タイバンルン(Thai Van Lung)通り:在住外国人が集うホーチミン市のグルメエリア」という特集見出しで紹介されている。ホテルはそのど真ん中にありチーサック(Thi Sach)通りに面している。部屋は最上階10階の1001号室。部屋は広く内装も新しく、金庫など設備も揃っている。3つ星だが、立地の便を考えればリーズナブルだと思う。ただし窓がなく、両隣にもっと高級そうなMayというホテルとSaigon Paragonというホテルがある。
翌0時前、お腹が空いたので夜食に出かける。チーサック通りからレタイントン通りに出て右折したところに夜中なのに賑やかなオープンエアの5Ku Stationというバーレストランを見つけてそこに入る。何と朝4時まで営業している。新宿の居酒屋並みだ。Saigonビール赤ラベル(2万ドン)とビーフ焼きそば(13.5万ドン)を注文。量が多くて半分しか食べられなかった。ホテルの周りをぐるりと歩くと、サークルKを3軒見かけた。外国人駐在員が多いせいだろうが、夜の飲食に困らない便利な界隈だ。