タイ南部国境地帯8: アロースター |
3月13日、14時半ごろ、街の散策に出かけるが、まず鉄道駅へ向かう。ホテルの窓から線路の西側に新しい駅舎が見えたのでそこを目指して400mほど南へ歩く。その手前に使用中止となった古い駅舎があり(写真)、その少し先に新しい近代的な駅舎がある(写真)。ところが、入っていくと、まだ完成したばかりで運用されておらず、ガードマンがいたのでチケット売り場はどこかと聞くと、線路の反対側の臨時の駅舎施設まで回り込んで行けと言われた。
300mほど北方向へ引き返し、線路の下を走る地下道を通り(写真)、再び南へ300m歩くと、確かに臨時の駅舎があった(写真)。しかし、チケット窓口は13:00から15:30まで休憩時間で(暑さのせいだろう)閉まっている。炎天下に無駄足を食らった。そこに詰めていたガードマンに、ハートヤイ行きの列車の時刻を聞くと、朝8時と16時半の1日2本だという。朝の便に乗るなら7:45までにそこへ戻ればよいと言われた。窓口の休憩時間が終わるのを50分ほど待つのは暑くて我慢できないので、翌日の朝そこへ戻ることにする。
再びホテルの角へ戻り、イブラヒム通りを西へ歩く。沿線の左手(南側)には古い商店街が残り(写真)、右手(北側)には新しいショッピングビルや銀行ビルが並ぶ。イスラム銀行もあり(写真)、マレーシアらしい。
左手(南側)にPekan Rabuという伝統的な屋根付きのマーケットがあり(写真)、直訳は「水曜市場」だが、毎日オープンしているらしいが、あまり人出はない。
そこからさらにしばらく西へ歩くと、右手(北側)に王宮広場があり、ここがアロースターの中心地だ。広場を北へ歩き、左右にケダー州立アート・ギャラリー(写真)、ザイール・モスク(写真)、時計塔、バライ・ブサールBalai Besar(写真、マレー王室専用の大ホールで公式行事に使われているという)、バライ・ノバットBalai Nobat(写真、八角形の小さな塔でもともと楽団の演奏会場として造られたもの)を順番に過ぎ、さらにその先のアロースター・タワー(高さ165m)を目指す(写真)。
暑さの中、やや朦朧として15時半ごろタワーに着いたが、なんと閉鎖中でガックリ。まだ外出して1時間余りだが、この時点で熱中症の危険を感じ、散策を切り上げ、ホテル隣接のCity Plazaへまっしぐらに戻る。冷房が利いたスペースに入りたかった。16時前、City Plazaに戻り着き、とくに何も考えずエスカレータで上の方へ登って行った。すると5階にフードコートがあったので、そこで遅いランチにする。シーフード・ナシゴレン(4リンギ=約120円、ナシゴレンは焼き飯)とレモンティー(1.8リンギ=約50円)で一息つく。
16時半にはホテルの部屋に戻る。バンコクから南へ下るごとに日中の日差しがきつく、昼間に出歩くのは厳しい。夕食場所を探す元気がなく、ムスリム国ではビールを出すレストランもないだろうと思い、20時ごろ、City Plaza内にあるマクドナルドでフィレオフィッシュセット(7.5リンギ)を持ち帰りで購入し、向かいのセブンイレブンでSkoll Superというマレーシア産の濃厚ビール(アルコール度9%、9リンギ)を買って部屋に戻り、軽い夕食とした。今日の移動距離はたいしたことなかったが、連日の移動の疲れが溜まったのか、体がだるい。
暑さで精力的に歩く元気がなかったが、短時間の散策からは、アロースターは全体的に発展途上で、新しい建物が多く、タイ側と比べると、人口密度が低いせいもあろうが、生活臭に欠ける印象だ。中央の王宮あたりはスルタンのマレー色、イスラム色が強く、ペナンの延長上にあるにしては中華色が薄い。『歩き方』によれば、マレー半島西岸は、古都マラッカを中心に、中国人男性とマレー人女性が結婚して生まれた子孫(男性がババ、女性がニョニャと呼ばれる)が形成した「ババ・ニョニャ文化」が色濃いらしいが、アロースターにはそうした面は見られない。
ホテルでウェルカムドリンクを飲んでいたときに、スタッフに「ランカウイに行くのか」と聞かれたが、アロースターの西海岸から1時間ほどで行けるアンダマン海に浮かぶランカウイ島という、ペナン島と並ぶほどのビーチリゾートがあるらしい。今回はタイ側のプーケットもクラビも、そしてここもまったく射程外だが、アンダマン海側にはビーチ観光資源が多いということだ。