ミャンマー再訪7: ヤンゴンからネピドーへ |
5月24日、7時発の長距離バスでヤンゴンからネピドーへ行く。5時半にYuzana GardenHotelをチェックアウト。表通りまでボーイに一緒に出てもらい、タクシーをつかまえ、事前に購入していたバスチケットを見せて、運賃を聞いてもらう。Aung MingalarバスセンターまでK8,000(約9ドル)と高いが、ヤンゴン空港より遠いことは地図でわかっていたので、承知する。ボーイにチップK1,000を渡す。バス代がK5,900だから、バスターミナルへ行くだけで、バス代よりもコストがかかる。これは他の方面の長距離バスでも同じことで、バスターミナルがヤンゴン郊外に離れすぎているためだ。どこの途上国の大都市でも市街の渋滞を避けるためにバスターミナルが郊外へ移転するのはある程度仕方ない現象であろう。
早朝の時間帯なので、ボトルネックの高架化工事中の箇所も車が流れていてスムーズに通過。順調にとばし、30分ほどで、前年にも使った見覚えある混沌としたバスセンターに到着(写真)。タクシーは筆者が利用するバス会社の待合室の近くで降ろしてくれた。チェックイン時刻の6時半まで待つようにと言われる。待合室はほぼ満席で、立って待った。時間が来て乗客が何人か乗り込むのが見えたので、筆者も続く。50人乗りくらいの立派なバスで、ボディに日本語の表示はないものの、窓側の頭上に「洋服掛け」とあるので、日本製の中古バスには間違いない(写真)。周囲のバスを見渡すと、那須高原観光、長沼観光、中部観光、静鉄、JR関東など日本の地方色豊かな中古観光バスが多いが、比較的新しそうな韓国製バスも見かける。バスセンターの敷地は多くのバスや送り迎えのタクシーが入り乱れて、発着の効率が悪そう。駐車場が未舗装なので、雨が降ると水たまりが多く、乗客の乗降も大変。ヤンゴンの他のバスターミナルも事情は同じだ。
出発後50分ほど、有料道路に入るまでは片側1車線だが、幅は広く、路肩も未舗装ながら幅が広いので、追い越しで危険になることはない。有料道路の料金所を過ぎると、中央分離帯のある片側2車線のコンクリート(行程の9割ほど?)もしくはアスファルト(部分的に)舗装。大型バスの座席はクッションが利いているのでよくわからなかったが、結構路面の凹凸がありそうだ。
沿線の風景はおもに未開発の野原だが、ネピドーに近づくにつれ稲作風景が多くなった印象。稲作をしている地帯では灌漑用水路も見られる。有料道路は制限時速100km/hの表示があり、バスはだいたいその速度で飛ばしていたようだ。この区間がミャンマー全国のなかで突出してスピードが出せる区間だ。途中で2回ほど、乗客の要求に応じて緊急トイレ停車(草むらで用を足す)があった(写真)。出発してちょうど3時間後、おそらくミャンマーに現在唯一あるサービスエリアに到着。道標は「115」とあるが、ミャンマーは距離の単位がキロメートルではなくマイルのようで(車両の右側通行と同様に、昔の英国支配への反発なのか、よくわからない)、ヤンゴンから200km弱の地点か。前年3月、夜行バスでマンダレーからヤンゴンへ向かったとき、深夜2時ごろに立ち寄ったのと同じ場所だ(写真)。
再発車後、車内前方のモニターでは、地元ポップス、安上がりのホームドラマ、ドリフターズのようなコメディアングループの映像などが流れていた。見るつもりはないが、前の方に座っていたので、かなり大きい音声が耳に入るのでときどき目が行ってしまう。
朝が早かったので寝不足のためウトウトしているうちに、12時半ごろ、有料道路を降りる。ネピドー市内に到着した(写真)。2006年にできた新しい都市だけあって、道路や建物の建設ラッシュ(写真)。ホテルゾーンを過ぎて、立派な道路の広い市内を回り、15分後にミョーマ・マーケットに到着。そこで全員降りる。
集まってきたタクシー運転手の群れの1人につかまり、目星をつけていたRoyal KumdraHotelまで乗せてもらい、K 6,000。20分以上走る。ホテルゾーンの幹線道路の左右には、たくさんホテルが建設中。看板だけは先に完成しているものが多い。2013年12月にネピドーで開催された東南アジア競技大会「SEA Games」(参加国はASEANに東チモールを加えた11か国)に備えたものだろう。
13時すぎ、ホテルに到着。立派なゲートを通過すると、しばらくして右手に、丸紅事務所の看板が見える(写真)。このホテルのヴィラを1棟借り切って駐在員が住んでいる。 フロントで空き部屋を聞くと、一番安い部屋は満室のようで、準ヴィラ部屋を1泊60ドルで用意できるという。拡散しているホテルを回るとタクシー代だけですぐに20ドルはかかりそうなので、その部屋で2泊お願いした。ホテルの敷地は広く起伏もあり、ボーイが電気カートで部屋まで送ってくれた(写真)。150mほどだが、荷物を引きずるよりは楽だ。しかし、その後はフロントと部屋の間の坂道を何回も歩いて往復することになる。雨期に入り、炎天下ではなかったので助かった。