ミャンマー再訪6: ヤンゴン |
5月22日午前、ダウンタウンの北側を散策。ホテルの正面から西へ延びるNaWa Day 通りには「ヤンゴン学院」という看板の語学学校(日本語?)や、「Yes髪」という看板のヘアサロン、「J’donnuts」という看板のドーナツ屋など、しゃれた店がある(写真)。(中略)ヤンゴン市内を南北に走る幹線道路であるPyay通りにあるTawWin Centerという4階建てのショッピングセンターまで歩いた(写真)。1階は化粧品店、2階は衣料品店が中心で、3階と4階に部分的に家電や電子製品の店が入っている。買い物の目標はSkype用のイヤホン+マイクロフォンのヘッドセットだった。何件か聞いて回った結果、アップルショップで売っていた。ブランド真正品は160ドルもするが、最も安いPlantronicsという名前の中国製品は25ドルだったので、それを購入。それでも高いが、仕方ない。バンコクで買っておけばよかった。米ドル紙幣は受け付けないのでチャットで支払う。代金はK23,575だったから、25で割り算すると1ドル=K943というレートに相当する。ヤミ両替よりチャット安のレートだ。輸入品に米ドル値札をつけておきながら、このレートで売るということは為替手数料まで店の利益にしようとしているということだ。(中略)
昼食後、部屋に戻って一息ついていると13時半ごろ雷鳴が聞こえ、スコールに変わった。15時に5~6km離れた某オフィスでアポイントがあったので外出できるのか不安になった。フロントで相談したら、ボーイが、14時にはホテルを出た方がよいというので、タクシーを頼んだが、この雨の勢いでタクシーをつかまえるのも難しそう。幸い10分ほどでタクシーがフロントに到着。ボーイ2人が筆者の渡したアドレスを運転手に必死で説明してくれる。何とか伝わって、大雨の中を出発。幸い雨の勢いは次第に弱まり、水たまりさえよければ運転自体は危険でなくなった。約束の10分前に何とか目的地に到着。タクシー代(エアコン付き)K6,000(約6.5ドル)を払う。距離にしては高いが、大雨の中のサービスだから仕方なかったか。(中略)
ホテルへの帰りは、まだ雨が降り続いていたので、面談相手の事務所のスタッフが親切にも近くでタクシーを拾い、事務所の駐車場まで誘導してくれた。おかげで濡れずに済んだ。運転手は夕方の帰宅ラッシュに苦戦しながらも、50分くらいでホテルに到着。タクシー代(エアコン付き)K4,000(約4.5ドル)を支払う。ヤンゴン市内の南西部分を往復しただけなのに、結構時間とお金がかかった。それだけヤンゴン市はいろんなオフィス機能が拡散していて、ビジネスには輸送コストがかかるということか。ましてや、後述するように、ネピドーを相手にしなければならないビジネスはもっと面倒だろう。(中略)
夕食はホテルのレストランで食べている客は皆無で、そこで食べると気が滅入りそうなので、雨がまだ降っているなか、ホテルの傘を借りて外出。はす向かいに位置する高級ホテルのパークロイヤル・ホテルの南隣にあるThamada Hotelの1階にある365(three-six-five)というレストランが、見た感じ賑やかなので入ってみる。ビジネスマンや観光客で賑わっている。メニューを見ると欧米風、アジア風のミックスのよう。スパゲッティのツナ辛子ソースK3,800、エビ辛子団子の甘ソース添え(タイ料理風)K3,800、タイガー生ビールK1,500を注文。価格は高いが店の雰囲気はよかった。レストランを出るころには雨があがっていた。
その晩はミャンマーで2回目の下痢になり、朝2時くらいまではトイレへ何回も通った。ミャンマーのビールの水質が体に合わないのだろうかと思ったが、その後もネピドーまでは下痢気味だったが、タウンジーへ移動してからは治まったので、ミャンマーのビールのせいではなかった。
翌日はランチをどこで食べるか迷った。ボージョーアウンサン通りに面するEMIセンター内にできた新しいParkson(百盛)デパート(マレーシア資本)(写真)を覗いてみたが、店内は狭く、1階のフードコートは未完成だった。昨年利用したことのある、サクラタワー20階の展望レストランは気分がいいが、価格が高め。結局、ヤンゴン中央駅から真南に250mほどのUpper Pansondanm通りに見つけた「JapanRestaurant」というのに入ってみた。14時ごろの遅いランチで店内には筆者のほかに白人の若いカップル1組とビジネスマン1人しかいなかった。天ぷら・ざるそば定食K6,000を注文。食材は問題なかったが、天ぷらとざるそばのつゆがどちらも甘すぎた。それにしてもヤンゴン市内に日本食レストランは探せば20くらいあるかもしれない。日本企業のラッシュでこれからも増えることだろう。
食後、曇り気味で熱中症の心配はなさそうなので、2か所、足を伸ばすことにした。最初はアウンサン・スー・チー女史が党首のNationalLeague for Democracy (NLD)本部。ダウンタウンからは北西方向に3kmほど。レストランを出たところでタイミングよく流しのタクシーが捕まったが、エアコンなしで、日が差してきたので少しきつくなった。シュエダゴン・パゴダの入り口近くを経由して回り込んだが、パゴダの入り口あたりは渋滞していた。それでも20分ほどでNLD本部へ着いた(写真)。間口はせいぜい7~8m程度だろうか。左側の古い建物がおそらく最初の立ち上げ時の事務所で、右側の車庫付きの新しい建物はあとから建てたのであろう。観光客が出入りするのを歓迎するようにゆるい管理の状態。左側の建物の奥には党員とサポーターらしき人が所作なさげにたむろしている。入り口ではスーチー・グッズや語録雑誌を販売していて土産物屋と化している(写真)。TシャツがK1000というから物色したが、背中に派手な赤色の党旗のデザインが入っているので買うのをやめた。冷蔵庫用のマグネットでもあれば、と思ったがなかったので、結局何も買わなかった。
次に目指したのはジャンクション・スクウェア。Insein通りとHenthawaddy通りという、インヤー湖の西側を走る2つのメインストリートが斜めに交差するあたりに近年開発されたショッピングコンプレックスだ。NLD本部から2kmほどなので、汗をかきながら歩いてみた。Henthawaddy通り(写真)を歩いた印象は、高所得層が住んでいそうな高級住宅街。そういう購買層を狙ってショッピング街が開発されたのだろう。まだ敷地の半分くらいは造成中のよう。現在客が入っているのは中央の3階建てのショッピングモール(写真)で、バンコクの基準からすれば中規模だが、ヤンゴンでは近代的ショッピングモールとしては最大であろう。冷房がよく利いていて涼みに入っている人たちも多いはずだ。目玉は3階のシネマか。上映中の3本のうち2本がハリウッド映画。開放政策を象徴しているようだ。1階の奥にあるSeason Bakeryというパン屋で売っている惣菜パンがそれぞれK500~700と安いので、その日の夕食と翌日早朝用の朝食をK2,100分買い、タクシーでホテルへ帰った(運賃K3,000)。
ヤンゴン滞在中に、ミャンマー全国をカバーする詳しい道路地図を探したのだが見つからない。ボージョーアウン通りの南側には家族経営の本屋がたくさんあるが、置いてあるのは観光地図程度で、役に立たない。ジャンクション・スクウェアの2階に入っていた唯一の本屋では、ミャンマーの文化紹介ものや、シュウェダゴン・パゴダに特化したガイドブックくらいしか置いてなかった。全国レベルでの道路地図は存在せず、内外の地理分野の専門家がこれからその基礎を形成するという事情ではないだろうか。(後略)