ミャンマー再訪2: ヤンゴンからパテインへ |
ミャンマーは前年にバガン、マンダレー、ラショー、モーラミャインといった南北コースを回ったので、今回はそれ以外のところを目指す。
5月16日、ヤンゴンから西へ約190kmのパテインへ行く。朝6時にホテルをチェックアウト。Shwe Man Thuバスセンターから出発。前日鉄道環状線を下車したParmini駅の3kmほど東側にある。出発前にバスセンターのすぐ外の屋台でモヒンガーを食べた(写真)。K500(約60円)とやはり屋台は安い。
事前に旅行社でバスチケットを購入したおかげで指定席が2番と最前列の右側で見晴しがいいが、僧侶が乗ってくるときは指定席でも前列席を僧侶に譲る慣行があるのかどうか、よくわからない。若い見習い僧侶が2人乗ってきて、そのうち1人は最前列左に座った。筆者は誰からも席を譲るようにとのプレッシャーを感じなかったので知らん顔していると、もう1人の僧侶は、もう少し後ろの席に着いた。
バスは「中国一汽」製。40人乗りくらいか(写真)。ほぼ満席で7時に発車。鉄道環状線の西側の線路を越え、Pyay通りに出て少し北へ走ったが、そこの交差点も立体交差の工事中で渋滞を起こしていた(写真)。Pyay通りから西方向へ左折すると、片側1車線から3車線へ拡幅工事中。バスと反対方向にダウンタウンへ向かう交通は渋滞していた。前年来の中古輸入規制の緩和でヤンゴン市内の車の数が増えているのだろう。
地元で発刊したばかりの日本語フリーペーパー「ヤンゴン・プレス」によれば、「輸入許可税が廃止され、毎月1万台といわれる中古車輸入が行われている現在、ヤンゴンの渋滞地獄は深刻な問題であり、通常7~8分で行けるところも30分は覚悟しなければならない。とくに朝夕の通勤時間帯はひどい。根本的な解決策はバンコクのように地下鉄か高架モノレールを建設することだが、ヤンゴンは路線バスとフェリーと呼ばれる乗り合いトラックに数万台といわれるタクシー、さらに個人の乗用車で道路は満杯状態である。現在、環状鉄道線をテコ入れして東京の山手線のようにする計画もあるが、実現にはまだ時間がかかりそうだ」とのこと。
7時半ごろ料金所を通過したあと、道路は片側2車線程度の幅はあるが、中央線もなく、路肩側の車線の痛みがひどく、しかもトラック、ミニバス、ピックアップなど雑多な車両が停車するので事実上片側1車線状態。その15分後、右へそれて、Dagon Aeya バスセンターに入る。トイレ休憩を兼ねて乗客を追加する。10人ほど乗ってきた。席が足りないので、プラスチック椅子を通路に並べて座らせていた。物売りたちが、バスの中に入ってきて、腹ごしらえが足りない乗客を探して必死に売りこみ。急に暑苦しくなってきた。
8時すぎ再発車。パテインへ向かう道路の路面はあまりスムーズでなく、補修箇所が多くみられる(写真)。最低限のメインテナンスを施した程度か。平均時速40kmhくらいでしか走れない。有料道路には値しない路面だ。途中、小型トラックが横転しているのを見た。その後ろに大型トラックが停車していたので、その大型トラックが追い越そうとしてプレッシャーをかけ、小型トラックが段差のある路肩に追いやられてバランスを崩したのではないか。(中略)
12:15にパテインのバスターミナルに到着。休憩時間を除いて正味4時間45分もかかった。最前列で眺めはよかったが、バスはかなり振動して疲れた。
バスターミナルではタクシーやバイクタクシーの運転手たちが駆け寄ってきて客の争奪戦。筆者はゆっくりと最後に下車し、コロ付き小型スーツケースがあるのでバイクではなく乗用車のタクシーを探していると強調すると、ハイエース(中古でぼろい)の運転手が名乗りをあげた。目星をつけていたパテイン市街のLa Pyae WunHotelまでいくらか、と聞くとK6,000(約6.5ドル)だという。バスターミナルの位置がわからず、距離がわからないので、言い値でOKしたが、ホテルに着いてみるとせいぜい3kmだったので、今回はぼられた。
ホテルのフロントスタッフは感じがよく、英語も通じる。1泊25ドルだという。2階の部屋を見せてもらい、ベーシックだが清潔そう。問題はエアコンが夜間は切れるということ。不便だが、この価格なら仕方ない。当初パテインに2泊する計画だったが、タクシーでここまで来た印象では、思ったより小さな街で、あまり見るところがなさそうなので、1泊だけにした。
午後、パテインの市街散策に外出。(中略)ランチはパテイン川沿いのTop Starというビア・レストランに入る(写真)。店員が英語をしゃべれて、英語メニューも出してくれた。エビと野菜炒めとごはんK2,500と、ここの看板であるタイガー・ビールの生小ジョッキK700を注文。ヤンゴンより飲食物が2~3割安い。気温は32~34度はあるのだろうが、日陰だと風が吹きぬけて何とか過ごせる。
食後、川の畔からすぐの街の象徴となっているシュエドモー・パヤを参拝。ミャンマーすべての寺院に共通で、東西南北から参道があり、川側の西の参道から入ったが(写真)、参道は比較的短く、すぐ中央の仏塔広場にでる。仏塔は修復中のようで、柵で囲まれていて、やや興ざめ(写真)。(中略)
市街中心部から少し外に出て近郊農村部を見る。何とか帰れるだろうと思いながら、村落部をウロウロした。鶏やヤギの放し飼いが多く、ゆったりしている(写真)。ヤギが草を食んでいるのは、だいたい古い家屋が放置されて幽霊屋敷になっているような場所の荒れた裏庭だったりする。古色蒼然たるボンネットなしのエンジン剥き出しのトラックも見た(写真)。そうこうしているうちに、方向感覚の自信過剰で、ホテルに戻ることができなくなり、田舎道でたむろしていたバイクタクシーのお兄さんに、K1,000でホテルまで送ってもらった。
『歩き方』によるとパテインはヤンゴン、マンダレー、モーラミャインに続いて第4番目に大きい都市だというが、歩いた感じでは市街地の人口はせいぜい10万人規模という印象。伝統的な商店街がまだ主流で、外資系の入ったショッピングセンターなどは一切ない。街の中心地から2~3km歩いただけで、農村風景だ。(中略)
夕食はシュエドモー・パヤの東側にある『歩き方』で紹介されているKha Kha GyiMyanmar Restaurantに入る。ポークカレー、エビサラダの2品とミネラルウォーター大を注文して計K3,300と安い。ビールを注文しなかったのはこのレストランは酒類を出さなかったから。ライスは食べ放題無料、薬味の野菜がたっぷり入ったお皿が出てきてとても食べきれない(写真)。これぞ地元ビルマ料理という感じ。
食後、腹ごなしにパテイン川沿いを散歩する。日中と異なり、日が落ちてからの川沿いには涼を求めて市民が集う。川に突き出す展望ステージのようなスペースはカップルでびっしり埋まっている(写真)。焼き鳥屋の屋台も登場(写真)。前年モーラミャインで見た夜のウォーターフロントに雰囲気が似ている。(中略)