東部回廊ほか見て歩記23: 東興から南寧へ |
4月29日、朝8時すぎに散策に出る。北侖大道ではなく、裏側から口岸へアプローチする。10分ほど歩くと、大きい魚を塩づけにして発砲ケースに詰める作業をしている水産問屋がある。南寧などの都市へ仕向けられるのだろうか。もう少し北侖河の方向へ歩くと、「海産品市場」に出る。そこはいろんな魚の卸売で賑やかだ。まっすぐ北侖河に出ると、口岸から1.2kmほど。そこに辺境(もしくは互市)貿易用の空ボートがびっしりと停泊している。そこから口岸方向へ川沿いを歩く。途中、ジョギングや散歩ができる緑地になっている。
口岸から下流800mほどの地点では対岸のベトナム側と盛んなボート交易が行われている。前日見た200m地点より激しい動きだ。公安のパトカーが停車して治安を維持している。ベトナム側からは発泡ケース入りの水産物が、中国側からは巨大なビニール袋詰めの商品(密度は高くなさそうなので、日用品か)が搬出される(写真)。水産物は中国側の岸に着くと、トラックへ詰め込まれる。岸では取引相手と携帯電話で連絡をとりあう商人たちが忙しそう。(中略)
新華路から西へ折れる方向に「互市貿易区」というサインが出ているので、これを確認したいと思い、北侖大道の南に並行している教育路を西へ歩く。さらに500mほど歩くと左手に並木道が河岸に向かって伸びている。この先が互市貿易区であろうと思い、突き当りまで行くと公安の詰所があり、ここもボート交易の拠点の1つだった。口岸から上流800mほどであろうか。ここにもおびただしい数のからボートが停泊している(写真)。
互市貿易区がなかなか見つからないのでバイクタクシーを見つけて筆談で乗せてもらったところ、西へ数キロ走ったところに互市貿易区があった(写真)。あとで地図で確認すると、北侖大道より北を東西に走る興東路を、新華路の交差点からまっすぐ西へ3kmほどの地点である。「中国海関」という通関ゲートの向こうへは行けないので、河岸は見えないが、保税倉庫らしき建物が数棟見える。水産物とそれ以外の商品の通過レーンが2つに分かれている。どちらのレーンにも通行人用の窓口があり、車両から降りて書類チェックを受けている。貿易区の柵の外にも貿易会社が運営していると思われる倉庫や市場がある。
通関ゲートの正面に、同貿易区およびそれを含む「東興辺境中心」というの開発計画の説明パネルがある。それらによると、互市貿易区は330m四方相当の面積に3.5億元を投資して2009年6月のオープンしたという。以来、互市貿易額は99%増加し、通常貿易との合計の増加率28%を大きく上回っているという。主要輸入品は落花生、緑豆などの農産物、水産物および食品類。主要輸出品は軽工業品、家電製品、建築資材、家庭日用品など。「東興辺境中心」は広西北部湾投資集団が主体となり、100億元規模を投資して2.5km2(1.6km四方相当)の敷地を開発する計画。貿易管理区、ASEAN商品展示場、諸加工区、輸入品倉庫?、観光旅行センター?などを設置して2015年完成予定だという。(中略)
東興バスターミナルから12時発の南寧行きバスに乗った。運賃は68元。発車した途端に空が暗くなり、雨が降り出し、やがてどしゃ降りになった。午前中市街をウロウロしているときにこうならなくて幸運だった。バスはの前日通った防城港港口区方面ではなく、北側の狭い道へそれた走った。制限速度40kmhのところを50~60kmhで飛ばそうとするが、道がかなり傷んでいるようで、座席に激しい振動が伝わる。13:15、防城港市バスターミナルに到着し、トイレ休憩兼乗客追加。ほぼ満席になる。雨がまだ降りしきる。10分後に再発し、防城港料金所を通過して片側2車線の欽防高速に乗った。ところが、すぐに前がつかえて停車し、そのまま1時間足らず、ずっと待たされる。てっきり事故渋滞だと思った。他の乗客もいらいらと立ち上がっては前方の様子を見ている。ようやく動き出してみると、渋滞の原因は、片側を全面的にアスファルト舗装する工事のため、4車線から2車線に減っていたための大渋滞だった。
14:50ごろ、ようやく渋滞が解けて速度を上げて走行できるようになった。15時過ぎ、欽州と南寧の分岐点を過ぎ、桂海高速に入る。そのあとの景色は行きと同じ。南寧郊外まで戻ると右手に高速鉄道が並行して走るのが見えた。南寧市玉洞インターで降り、北上し、16:25、南寧市江南客運駅(バスターミナル)に到着。4時間半もかかった。行きの琅東汽車駅に着くものと思っていたが、東興便はこちらが発着なのであろう。
タクシー乗り場を探すのに手間取ったが、ターミナルを一回りして何とか拾い、ネット予約していたMarriott(1泊100ドル)へ向かう。ホテルまで結構走り、到着は17時前。メーター運賃は29元だった。南寧飯店がこの時期予約で一杯だったので、この際郊外の高級ホテルに泊まってみた。
18時ごろ、夕食をとりに外出。ホテルが面する民族大道は夕方のラッシュ(写真)。ホテルの隣は近代的なショッピングモールで、ファッション店、シネマ、ウォルマート、ディスコクラブなどが入っている。その裏側はレストラン街で、その一画にあった台湾レストラン「日月湾Sun Moon Bay」で食べた。魚料理、青物炒め、焼き飯、ハイネケンビール2本を注文し、124元。この一画は外国人客も多い高級レストランばかりで、勢いで贅沢をしてしまったが、とても美味しかった。