東部回廊ほか見て歩記6: 昆都夜市 |
4月5日、宿泊ホテルから西側の半径1kmほどの範囲を散策した。公園ではいろんな老人グループがそれぞれの趣味を楽しんでいる。弦楽器を演奏するグループ、フォークダンスを練習するグループ、中国将棋のグループ、そして竿で鞭を打つようにコマを回す人達(写真)など、皆さん、なかなか多才だ。路上麻雀を楽しむ人たち(ただし年齢層はかなり上か)も見かけた(写真)。
西昌路と新聞路の交差点から君楽酒店方向(北東)へ戻る途中の新聞路の右手に「昆都夜市」という横断看板がある一画があった。ディスコ、カラオケ、ビリヤード場、ゲームセンター、入れ墨屋などが集積する一種の歌舞伎町的なところか(写真)。
昼間で人はほとんどいないが夜は賑やかなのだろう思い、19時ごろ、夕食を兼ねて覗きに出かけた。昆明のこのころの日没は20時前まで外は明るい。昆都夜市はまだ始動していないようで、周辺のレストランをいろいろ見ながら歩き、昆都区画を挟んで新聞路と反対側にある国防路近くの鉄板焼きレストラン「飛阻鉄板工房」に入った。入り口に写真つきのメニューが置いてあったので助かった。秋刀魚の開き12元、キャベツの唐辛子炒め12元、もやし炒めの卵焼き閉じ15元、ライセンス生産のカルスバーグ(嘉士伯)Light(アルコール度3.2%)12元、計51元と、まあまあ安上がりな夕食となった(1元=約16.5円)。
21時ごろから昆都区画がだんだん賑やかになっている。言葉が通じないものの好奇心に勝てず、まずはBabi Clubというのに入ってみた。入り口で荷物チェックがあるが、手ぶらだったので素通りした。入場料はなし。店内は全般に暗いが、天上の紫色のスポットライトが回転していて進むのに問題はない。店内の中心部には小人数グループで囲めるテーブルが所狭しと配置されてあり、外側にはソファにかけられるテーブルがたくさんある。日本でいえば、いわゆる「クラブ」(しり上がりにトーンを上げる)に相当するのであろう、デート、軟派、被軟派、同性同士の単なる飲み会など、それぞれの楽しみ方をしている。ただし、筆者のようなオッサン単独の客はいない。奥のDJスタンドとバーテンダーが一緒になったカウンターが空いていたのでそこに腰を掛けた。カウンターの向こうのウェイターが当然ながら中国語でまくしたててくる。こちらは唯一発音が通じる「ピジウ([口卑]酒、ビール)」と訴えると、ビールのメニューを見せてくれた。ところが、ビールの名前の横に50/180/300元と3種類の値段がある。ウェイターは必死で説明するが、こちらはまったく理解不能。とにかくビール1本50元であろうから、財布から100元札を出して「嘉士伯(カルスバーグ)Chili」という段を指さして人差し指で「イーピン」(1瓶のつもり)とアピールしたらようやく通じ、生温くまずいビールが出てきた。それでも筆者が陣取ったカウンターの箇所からはDJやバーテンダーの動きに加え、周りの男女連れの客、男連れの客、女連れの客などいろんなパターンの客が観察できてなかなか面白かった。ビールをほぼ飲み干したところで、カウンターの中でアルバイトと思われる私服の女子が、メニューを指さして何か話しかけてきたので、追加注文のうかがいだということは理解でき、手元にあったカクテルのメニュー(英語つき)からモヒート30元を注文した。するとどこからかカクテル専門の男子が現れ、ラム酒に氷、コーラ、を注ぎ、ライムとミントの葉を落としてコーク&ラムのモヒート出来上がり。
そうこうするうちに店内の音楽(英語のロックが中心)のボリュームが上がり、筆者の前後左右の席が埋まり、カウンターにも客が押し寄せて肩身が狭くなってきたので、22時ごろ席を立って退散した。外に出ると若者のたむろしている数がさらに増えている。カラオケ店の外の電光掲示版ではMTVのような映像が流れていて、お金のなさそうな男子連中がそれを眺めている。中庭のような広場のまわりは警官がたくさん見張っている。歌舞伎町のような感じ。もう1軒だけチャレンジしようと思い、「火之鳥Fire Bird」という看板の店に入った。ここも身体チェックのみで入場料はなし。市価の5倍はするドリンクで利益を出しているのであろう。入ると中央の狭いステージで女性ダンサー(といってもきちんと衣装で身を覆っている)がロックの音楽に合わせて踊っている。ちょっとしたショー付きの「クラブ」ということだが、とても混んでいて座る場所がなく、しばらくショーを無料で見て22:30ごろ退散し、ホテルへ戻った。筆者が歩く反対方向に、男女連れ、女性同士などの若者グループの多くとすれ違った。まだ彼らには宵の口なのだろう。