チェンマイ |
2013年3月10~18日、バンコクからチェンマイを経由してメーホンソンを見て回った時の様子について報告する。
3月10日午前、タイ航空の国内線でスワナプーン空港からチェンマイへ。チェンマイ空港は市街からタクシーで15分ほどと至便。ただし、早晩、渋滞解消のために郊外へ移転するのではないかと察する。
14時すぎ、日差しがきつい時間帯だが、チェンマイ中心部で泊ったホテル(Centara Duangtawan)のすぐ向かいにある旅行店で借りたレンタル自転車(1日50バーツ、デポジット500バーツ)でチェンマイ市街東部を散策(写真)。ピン川沿いには昔の造りを維持した雰囲気のあるカフェやバーが点在し(写真)、川から少し東に入ると高級コンドミニアム(名前はFloral Chiangmai Condominium)、各種学校(クリスチャン、ムスリム、仏教学校)などがあり、城壁内の旧市街に対する郊外住宅地として発展したのだろうと推測する。その少し南東にあるチェンマイ鉄道駅は欧米系の観光客が多数利用している様子でにぎやか(写真)。
一旦休憩して夕方から徒歩で散策した旧城壁内は、おしゃれな雑貨店やこじんまりしたゲストハウスが点在し、欧米系の観光客に人気がありそう。タイ料理教室が多数あり、欧米のとくに女性観光客(もしくは滞在者)が参加し、自分たちでつくったタイ料理を試食しているのを見かけた。この日は日曜日で、Sunday Marketの夜市が旧城壁内の中央を突っ切る東西に走る石畳の通りで行われており、通りの両側に雑貨や土産物を売る出店がびっしりと並び、すごい人混み。行き交う雑多な地元の人々と多国籍の観光客を観察するだけでも楽しい。ところどころで少数民族グループや盲目の人のグループが楽器や歌のストリートパフォーマンスで観光客からチップをもらおうと頑張っている。
翌3月11日、2年前にお会いしたチェンマイ大学のSさんと再会。ランチに誘われ、旧市内東側、ターペー門の少し南側にあるTiger Kingdom Restaurantでごちそうになった。あとでわかるが、Tiger Kingdomというのはチェンマイ郊外にあるテーマパークで、多数の虎を飼育して訪問客が触れ合えるというもの。このレストランは同じ経営者なのだろう。
Sさんの話では、大チェンマイ圏(Greater Chiang Mai)は20程度の郡をあわせて人口は約150万人でドーナツ現象で、外延にどんどん拡大しているという。経済発展のおかげで若者は3K労働を避けるようになり、ミャンマーからの出稼ぎ労働者が10万人ほどもいて、男性は工事現場など、女性はサービス業に従事しているという。他に話題になったのが中国人観光客の増加だ。団体旅行でやってくる中国人が増えたという。また、中国のナンバープレートをつけた車両の観光グループを毎週末見かけるという。はるばる雲南省からラオスの3号線経由でチェンマイまで陸路で観光に来る層がいるのだろうか、判然としない。筆者が泊まったホテルでも、朝食のビュッフェは中国人観光客であふれ、圧倒される。彼らは年配の人も多いので、おそらくは昆明(およびその他の中国の都市)とチェンマイの直行便フライトを使ってきているものと察する。後日、筆者がドイツビールを飲みに入ったビアパブではタイ人ウェイトレスが筆者に中国語で話してきた。筆者は韓国人と間違われることが多いのだが、それだけ中国人観光客が押し寄せているという証拠だと思った。
その午後、再びレンタル自転車で、今度は西へ走った。夕方の通勤・通学のラッシュアワーのせいか、旧市内・市外近郊ともに車やバイクの渋滞が激しい。バンコクよりはましだが、古いオートバイやトクトクの後ろを走るときは排気ガスで結構苦しい。それでも、日中の日差しはきついものの、朝夕であればチェンマイ市内を移動するには自転車で十分だと思う。
旧城壁内を西へ抜け、30分ほど自転車を漕いで高級住宅街となっているニマーンヘミン通りへ到着(写真)。ホテルがある旧城壁東側からは6~7kmか。ここには垢抜けたレストラン、コンドミニアム、スパなどが集う(写真)。地元の日本語のフリーペーパーChao紙(月2回発行)をみると、ニマーンヘミン界隈には日本料理レストランが10軒前後ありそうだ。参入・退出が激しそうで、地図に載っている日本食屋が実際はなかったりする。欧米人が好きそうなイタリアンもたくさんある。日が落ちると気温が30度を切り、湿度も低く気持ちがいい。日本で花粉が飛ぶこの季節は、こういうところで過ごすのがいいかもしれない。ニマーンヘミン通りのソイ3にあるスマイリー・レストランという日本食屋でアジの開き定食を食べた。欧米人客もいて、日本の家庭料理は人気があるようだ。
そのあと、Chao紙でそのとき特集されていた、ニマーンヘミン通りのすぐ北東に位置するサンティタム地区を散策した。特集記事による紹介は以下のとおり。「続々と新しい店が登場するニマーンヘミン通りは確かに最先端エリアかもしれないが、無理して背伸びをしているみたいで何となくこそばゆい。…庶民的な生活感が漂うサンティタムは、気取らない本音の世界だ。安アパートで暮らす貧乏学生、水商売のお姉さん、ダラダラ滞在する西洋人バックパッカー、それに最近ではリタイア組の日本人ロングステイヤーまでが加わって、ごちゃ混ぜになったどこか不思議な空気を生み出している…」同特集に出ている地図を頼りにウロウロしたところ、確かにこれから若者が集まってきそうな息吹を感じた。ライブバンドの演奏のあるバー(写真)で一息つき、地元の大学生ウェイトレスがプロモ(promotion)だというアルコール入り(5%)の青色のサイダー3本190バーツを、勧められるままに注文した。片言の英語で会話したところ、彼女らは、国立チェンマイ大学に通うエリート学生とは異なり、アルバイトをしながら私立のラーチャパット大学(写真)や職業専門学校に通っているという。
その翌日は動き回らずに体力を温存した。3月の東南アジアは日中が暑い。夕食は旧市街の東側にある、お堀通りを3階から見下ろせるJohn’s Placeというオープンエアのレストランで食べた。ヨーロッパからの輸入ビールをたくさん出していて、割高だがタイのビールに飽きていたので、London Prideというエールビールを注文すると、うまかった。店のオーナーはタイ人でJohnというのはニックネームだとのこと。周りの客は韓国人グループが多かった。